皆さんは花粉症ですか?今年は量少ないみたいですが周りでも苦しんでらっしゃる方がいっぱい、、
私は4人家族なのですがその中でなぜか自分だけが花粉症でないのです。おかげでコート等を家に入る前に払うという習慣がいつまでも身に付かず、今年もたくさん怒られる春がやってまいりました、、、
さて、本題です。今日レビューするのはこちら。
StrymonのEl Capistanです。テープエコーマシーンを一般的なエフェクターサイズで再現したものです。これに関しては後ほど詳しく。
このStrymonというメーカー。ハイエンド空間系エフェクターで有名ですね。現在のラインナップはこちら。
他にテープサチュレーターを再現したDECO、新製品としてDIG(デジタルディレイ)、Riverside(同社唯一の歪みペダル)があります。なんとまあ全部カラフルで可愛い。そしてめちゃ高い。中古でも2万を切ることはほとんどありません。
しかーし!実力は値段以上!ほとんどこいつらで大半の市販エフェクターは蹴散らすことができます。ラック型エフェクターに劣らないという宣伝文句の通り。音の透明感が異様です。本当に。
私はEl CapistanとOlaを持っています。最もメジャーなのは多数のディレイを内蔵したTIMELINEとリバーブで最強と言われるBlueSkyでしょうか。
アマチュアにはもちろんですがプロの方でも使用している方は数えきれません。元東京事変・現ペドロールズの長岡亮介(浮雲)さん、NICO Touches the Wallsの光村さん、今剛さん、、、挙げ始めたらきりがない。
さて、そんなStrymon。ディレイエフェクターだけで以下の4つもあります。
BRIGADIER(アナログディレイエフェクター)
DIG(1980年代〜現代のラック型デュアルデジタルディレイ)
El Capistan(テープエコー)
TIMELINE(BRIGADIERとEl Capistanと同様のディレイを含め12種類のディレイを内蔵)
ああ、マニアック。
それぞれに良さがあるんですが今回はEl CapistanとTIMELINEとの比較のみに留めたいと思います。
さて、このEl Capistanはテープエコーを再現したエフェクターです。
現在ディレイと呼ばれるエフェクターはアナログディレイとデジタルディレイの2つに分けられます。違いはデジタル処理されるかどうかといって仕舞えば終わりなんですが、アナログディレイはより暖かく、デジタルディレイはより冷たく透き通った音という特徴があります。
そしてテープエコー。これはこの2つのどちらでもありません。というのもディレイというエフェクターが登場する以前から存在していたものだからです。
テープエコーというものはカセットテープのようなテープを回し、そこにギターの音を録音、そしてそれを少し遅らせて再生することでディレイ効果を得る、という原理の機械です。再生する為に音を読み取る部分(ヘッドと言います)が複数個あり、これを同時に使ったり、組み合わせたり、単体で使うことにより様々なエフェクトを得ることができます。
テープの速さを調整することで再生スピード(ディレイのスピード)や音色を変えることもできました。またテープは使用を続けるに連れてどんどん劣化していってしまうのですが、それに伴う音の変化(高音域の劣化→まろやかになる、ノイズの混入→サウンドバリエーションの1つとして)も魅力の1つとされていました。
うん。素晴らしいですね。ではなぜ今はメジャーではないのか。現物を見たことある人も少ないと思います。
それはとにかく、重い、デカイ、メンテナンスが大変、これにつきます。現代ではすっかりコンパクトサイズのエフェクターに置き換えられてしまいました。
しかし、テープエコーでしか得られない音色があります。やっぱり。これらの欠点を克服するために多くのメーカーがテープエコーの音を再現したエフェクターを現在販売しています。
このEl Capistanもその1つ。では他機種と比べて何が魅力的なのか。
それは再現率と音色です。
なんとこいつ、テープの再生スピード、原音とのミックス量、テープの劣化具合、音の揺れ具合、リピートの度合い、複数ヘッドの組み合わせ、固定ヘッドと複数ヘッドと単体ヘッドの選択、スプリングリバーブの調整、テープのシワ、、、、
もうなんでもできます。実際のテープエコーそのまんまなんです。これ使った後だと大半の他社のテープエコーエフェクターはなんの興味も湧かなくなりますね。今剛さん、菰口雄矢さん等も絶賛されています。
これ以外にも細かい操作がどっさりあるのでそこは公式サイトで確認してください。以下音のレビューです。
使い方は無限にありますがまずはディレイとして。
一般的なディレイと比較して非常に暖かい、心地よいディレイ音です。冷たさ等は皆無、全く耳障りでないです。ディレイタイムもスラップバック〜長めまで取ることができます。ショートディレイとしてサステインを伸ばすために使うのも良し、ハッキリとしたディレイを作ることも。タップテンポも設定できるので、ディレイ音を付随させたいテンポででTAPスイッチを二回踏めばディレイのタイミングをライブ中でも変更することができます。
ちなみにTAPテンポを踏み続けると発振させることもできます。これは踏んでいる間ディレイ音が無限に重なるもので、とんでもない音になります。(笑)発振させている間にノブをいじるとさらにとんでもないことに、、、効果的に使えば曲の雰囲気をガラッと変えることもできます。
テープエコーエフェクターにはレトロな感覚を覚える方が大半だと思いますが、このような機能により現代音楽にもとてもよくマッチさせることができます。
そしてスプリングリバーブも内蔵されているので、BlueSkyほどの長時間リバーブは無理だとしても、一般的なリバーブとしての使用も可能です。自分は案外こっちが気に入っています。まあリバーブエフェクターとして買うならBlueSkyの方が良いと思いますが。
音色はやっぱりStrymonの音ですね。透明感、これに尽きます。設定は少し難しいですが何をしても良い音になってしまいます。嬉しい。
細かいところでは設定で音量の変化を設定できるところが人によっては素晴らしいと思えるポイントだと思います。ディレイを踏んだ時に音が小さくなってしまう/大きくなってしまうことにお悩みの方だったり、ブースター的に使いたいな、という方にドンピシャの機能です。
欠点としてはまさにデジタルディレイ!といった冷たい音はどうしても作れないところでしょうか。いやテープエコーエフェクターなんだからという感じですが。
後やっぱりノブが多くて設定がとても難しい、、、付点8分のディレイ等を簡単に作りたい方はDIGをお勧めします、、、でも音色全然違うんだよなあ、、
TIMELINEとの比較はどうでしょう。TIMELINEにはEl Capistanのテープエコーディレイも内蔵されていますから、他にもディレイを買うならそっちで一発で済ませるというのも十分ありだと思います。お値段もEl CapistanとBRIGADIER2つ買うより安いですし。MIDIによる操作が可能なのも魅力的です。
しかし私はEl Capistan派ですね。というのもやはり専用機であるだけあってテープエコーエフェクターとしての実力には大きな差があると感じらからです。YouTube等にある音源を聴いてみても恐らく伝わると思います。
選ぶ際はMIDIと使い勝手、汎用性を選ぶならTIMELINE、音と再現率・省スペースを選ぶならEl Capistanでしょうか。私はこの見た目も最高にクールだと思うので後者をお勧めしますが。
しかもこれ案外軽いです。予想してたより。注意すべきなのは使用電力量とアナログエフェクターとの電源を分ける必要があることでしょうか。でもまあ使用電力は全然許容範囲内です。
まだまだ自分も使いこなすには遠いですがこれからも長く使っていきたいなと思う数少ないエフェクターの1つです。