2017年03月25日

Taylor 314ce アコースティックギターレビュー!Martin,Gibsonとの比較も。

 皆さんこんにちは。今回はアコースティックギターのレビューをしてみたいと思います。私、エレキよりアコギ歴のほうが長いんですが(普段はインストのカバーをメインにしております)、なんか気づいたら4本にもなってしまいました。。。その中で最も使用頻度が多く、メインギターとなっているのがこのTaylor 314ceというギターです。
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 買った理由は主に
@見た目が最高。かっこよさとプレイアビリティを兼ね備えています。
A音。Martin,Gibsonとは違う、爽やかで洗練された明るさ。
Bピックアップの音の良さ
 てところでしょうか。だいたい二年ぐらい使用しています。今日は上記三点を中心として書いていきたいと思います。

Taylor Guitarsというメーカー

 Taylorはアメリカのカリフォルニアを拠点とするギターメーカーです。ギター好きな方々は皆さん知っていらっしゃると思いますが、一般の方、初心者の方の間ではMartin,Gibsonと比較すると知名度はだいぶ落ちます。しかーーし!!高級アコースティックギターを買うなら絶対に試してほしいと思えるクオリティを持ったギターを作り続けています。

 事実アメリカではかなりのシェアを誇っており、様々なアーティストが使用しているのを見ることができます。Taylor Swift,Jason Mrazが一番有名でしょうか。国内でもコブクロさん等がメインギターとして使用しています。

 このメーカー、伝統的な工作技術が良しとされるギターメーカーの中では珍しく、様々な革新的技術を導入していることが知られています。代表的なものだとネックのジョイント形式が挙げられるでしょうか。なんとフェンダーギターのようにネックが簡単に取り外されるようになっています。これによりネックリペア、現行調整の手間等を驚異的なレベルで簡略化することに成功しています。Martinがニカワでの接着をアピールしているのとは大違いです。

 価格は10万円から100万ほど。この辺りはほとんど他の海外メーカーと変わりません。

Taylor 314ceのスペック

 私が使用している314ceはTaylorのラインアップの中でミドルクラスと呼べます(100番台から始まり900番台までランク分けされています)。オール単板モデルの中で最も安い(18~21万)ギターです。それでも素晴らしいギターだと思います。この価格帯にコスパを求めるのはどうかと思いますが最も価格と音が釣り合っていると思います。

 トップはシトカスプルース、ネックはマホガニー、サイドバックはサぺリ。サぺリという木は近年マホガニーの代替材として使われ始めた物です。アフリカ原産でかなりの高木になることで知られています。リボン柄という独特の杢目がかわいい。音の傾向はマホガニーと比べるとまったり感が薄れ、よりはっきり、さっぱりとした明るい感じ。代替材とはいえやはりマホガニー系です。ローズウッド等の特徴であるキラキラとした高音、重い低音は抑えめで、音のレンジは狭めと言えます。

 そして指板はエボニー。この価格帯でもエボニーというのはかなり評価できる点。私はローズウッドに比べ感触が好きです。音は少し硬めになる傾向があるそうです。

 塗装はトップのみグロスフィニッシュ、他はサテンです。価格を抑えるためでしょうが、ネックのサテン仕上げはありがたいです。トップの塗装は硬いですが相当薄いです。ぶつけるとヒヤッとしますね。

 ピックアップはES2という最新のオリジナルピックアップシステムが搭載されています。これは一般販売されていません。ボディ厚はかなり薄め。エレアコとして使用した際のハウリングを防ぐためとされています。

音、弾き心地など

 上記に挙げた木材の傾向がよく出ています。さっぱり、明るい。マホガニー系のトーンが軽いタッチでぽんぽんと出ます。使用が推奨されているエリクサーと合わせるとこの傾向はより強まります。Gibsonの力強い、泥臭い音やMartinの煌びやかで広がりのある音とも違います。

 ボディが薄めなので生鳴り感は他社と比べると控えめと言えると思います。これはTaylorのピックアップ搭載モデル全般に共通する特徴です。この点が人にとっては欠点になりえそうです。しかし音量が劣るなどといったことはないです。薄いことによってレスポンス、抱えやすさはむしろ向上しています。

 当然ですが低価格帯のものとは一線を画します。各弦の分離がとても良いです。特にプレーン弦の音の伸び、抜けが強み。

 またピックアップシステムもかなりのクオリティ。アンプやPA側でしっかりとミドルカットの設定にする必要がありますが、うまく設定すればピエゾであるにもかかわらず、コンデンサーマイクとほとんど変わらない出音が作れます。プリアンプもくっついてるので音量、低音高音の調整がギター側でもできるのが良い。できればミドルの調整もできるとよかったのですが。

 ネックがかなり薄め(エレキ並み)・幅広なのでフィンガーピッキング主体の方、複雑なコードを多用される方にはかなり弾きやすいと思います。手の小さい女性の方にも試してもらいたいと思わせてくれます。ただこれ多分苦手な人は相当苦手な形かなとも思いました。握りこんだ時に角が立っているように感じる時があるので、これは実際に確かめるべきですね。

 またとにかく万能といった感じを受けます。生音で弾くもよし、ハウリングに強い構造・高性能なピックアップのおかげでバンド内でもとても使い勝手が良いです。

他モデル、他社との比較

 私は購入の際一通り試奏させていただいたのですがやはり合板モデル(100,200番)とそれ以上のモデルでは大きな差を感じました。鳴り、仕上げ(300番台からアメリカでの生産となります)などどうしてもさを感じてしまいました。合板ギターに関してはMartinの方が上だなあと思います。

 300番以上になりますと使用する木材で値段が変わってきます。サぺリ、マホガニー、オバンコール、メイプル、ローズウッド、その他(コア、ココボロなど)といった感じ。もうここは好みです。それぞれにそれぞれ独特のトーンがあります。私は予算の都合や自分の技術との釣り合いも考えてここに落ち着きました。

 この価格帯となるとMartinのD-28、ooo-28、GibsonのJ-45等も候補に入ってくると思います。私もよくこの3社のギターを弾きますが、各々の特徴を挙げてみると(完全に主観ですのでご了承ください)

Taylor:
明るい、爽やか。抜けが良い。実際のライブなどでの使い勝手良し。メンテナンスも楽。もともとネックが丈夫、エボニー指板最高。デザインも最高。個体差少ない。

生鳴り、迫力等は控えめ。そのためちょっと価格が高めに思える。音が硬質で好みがわかれる。Gibsonと比較して音に表情が出にくい。陰のある感じを出すのは難しい。

Martin:
大正義、大定番。一般の人がイメージする良いアコギの音。レンジが広く、鳴りもよい。かなりのアーティストが使用しており、所有感が満たされる。合板低価格モデルもかなりの実力。

弾きやすさ、メンテナンス面では劣る。割れだったりトラブルがよく起きる。ちょっと扱いが難しい。(私のものもネックがよく動き、ブリッジ周辺にもクラック、バインディングが縮んだり)Gibsonほどではないとはいえ個体差がかなりある。キラキラしすぎで弾く側からすると好みがわかれる。

Gibson:
とにかくかっこいい(完全に主観)。音の表情がとにかく多彩。弾くところ(ブリッジ付近、ネック側)弾き方(ピック、指、スライドバー)、なんでも合うしいろんな音が出せる。ボーカルと合わせるならこれ。モデルごとに結構音が違う(泥臭い=J-45、豪快=Hummingbird・Dove、柔らかい=Songwriter)。最近のものはネックも細めなので避けてた人もぜひ。

個体差ありすぎ。品質管理は正直疑問。同じ45とは思えないものが存在したりする。本当にこれは試奏必須です。弱めのフィンガーピッキングなら他のほうがいいか。

 とまあこんなとこでしょうか。Taylorのギターは共通してカラッとした明るさ、抜けの良さを感じさせます。西海岸の気候が表れているようで私は大好きです。これからも長いお付き合いになりそう。J-45を弾きこなせるおじさんになるのが老後の目標です。まだ何十年もありますが。

 

 
 
posted by ミウラ at 20:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 機材レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
わかりやすい説明ありがとうございます😊
私もギブソンJ-45とテイラー314ceを使っています。
音色が全く違うのでライブでも使い分けています。

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Posted by 中山達也 at 2021年12月20日 10:20
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