外見等
毎回のメーカーについての説明は省きます。気になる人はXoticの他のエフェクターレビューの記事をご覧ください。
さて、本機の特徴は何といってもこのルックスでしょう。なんともいえないキュートな紫の筐体に珍しいフォント、そして魔法使いの帽子。完全にこれオズの魔法使いにかけてますよね。塗装の艶、質感も高級感があってなかなか良いんではないでしょうか。
各チャンネルのEQ部分は赤と青に色分けされており、オン時にスイッチごと明るく光るようになっています。暗闇で見るとこれもおしゃれ。個人的にかなりポイント高い。ただ、弱点として暗い環境だといまいちEQが今どこを指してるんだかわからないという悲劇を生み出す原因にも。。。
サイズは一般的な2in1モデルと同じです。通常のペダル2つ分よりコンパクトにまとめられています。
コントロール
コントロールは各チャンネルともにゲイン、ボリュームとEQになっています。エフェクトは両方独立しているので同時使用も片方だけ使うこともできます。
実際に使ってみた
音ですが、正直通常のACとRC boosterとは別物に仕上がっているように感じます。まずはAC。こちらは通常のものと比較して僅かにゲインの最大量が増しています。基本的にはブースターの考えのもと作られているため、強い癖はありません。粒の細かいシルキーな歪み方をします。一般的なロックまではカバーできるかな?ピッキングニュアンスは出まくりです。EQもあるので音質の調整も簡単。僕はいつも少しBassをカット気味にしてます。
ギターとアンプのキャラクターをあまり変えずにゲインだけ増してくれるので、素直なオーバードライブを求めている方にはかな合うのではないのでしょうか。かといってトランスペアレント系とも少し違うんですよね。トランスペアレント系はまさに透明感という言葉が似あうと思いますが、こちらのほうがよりギターのおいしい帯域を目立たせてくれるので、バンドでの抜けという点では上だと思います。そういう点でいえばTSと比較すべきなのかもしれません。
続いてRC。こちらはより極端に、ゲイン量が2倍になっています。単体でクランチぐらいに歪ませることのできるパワーを得てしまいました。音としてはやはりクリアで引き締まった音がします。単体でクリーンで使ってもサウンドにまとまりが出て、非常に使いやすいです。海外サイトでもこのRCサイドの出来が素晴らしいと言われているようです。こっちも僕はBassを下げて使ってます。
さて、このエフェクターはRC booster→AV boosterという順番が固定になっています。つまりACで音を作ってRCで単純に音量を上げるという使い方はできません。ここが一番残念な点かもしれません。最近は前後入れ替えできるものが多いだけに、といった感じ。ですがこれはOzのこだわりなのかもしれません。説明書にも散々書いてあります。「ACとRCを同時に使うと魔法のような太い音が出るよ!!」と。
実際に試してみて、確かに、、、と納得してしまいました。ACで歪みを作って弾き、ここぞというところでゲインを高めに設定したRCをオンに。するとACが強烈にプッシュされてこれでもか!というほどのぶっといリードサウンドが簡単にゲットできます。コンプ感も少し加わるので、とても気持ちよく演奏することができます。これはいいですね。
ギターはやっぱりシングルコイルのものが相性がいいように感じました。音の細さに悩まされているストラト、テレキャスター使いの方のには強くお勧めしたいですね。ローノイズに仕上げられていますのでその点も心配いらないと思います。まあ僕はハムバッカーで使ってましたが。ハムでも鬱陶しくなるほど太くなるわけではないので。むしろ非常に滑らかな音が出せるので、重宝していました.
コーラスなどのモジュレーション系が乗りやすいのも非常にいいです。
まあやはりバッキングでもいいですが、リードギターで使ってみてもらいたいとは思います。フィンガーピッキングを混ぜたり、レガートで音をつなぐプレイなんかいいんじゃないでしょうか。
チャンネル入れ替えができない、という点さえ気にならなければ、多くのギタリストのサウンドを一つ上に押し上げる実力を持っています。通常とは違うACとRC、2つ入って2万円ぐらいという価格も良心的だと思います。限定1500台らしいので気になっている方はお早めにどうぞ。